出町柳駅や鴨川デルタ近く。文化の匂い、出町桝形商店街は短いけど、中身が凝縮された【京都市上京区】
京阪本線の京都側の終着駅「出町柳」は、同時に鞍馬貴船方面に行く叡山電車の始発駅です。駅前はちょうど賀茂川と高野川が合流して鴨川となることから、鴨川デルタと呼ばれている場所があります。

しかし、鴨川デルタ以上に楽しい場所が出町柳駅から渡ったところにあります。それは出町桝形商店街です。

出町桝形商店街は、2013年1月~3月に京都アニメーション制作で放映されたアニメーション作品「たまこまーけっと」の舞台となった「うさぎ山商店街のモデル」とされ、さらに最近では「京大生、出町にダイブ!」という京大生がエッセイにして出版し話題になったほど魅力的な商店街です。

右に見える石碑は鯖街道の終点を表す碑
先日京都に行ったタイミングで出町桝形商店街に行ってきました。出町桝形商店街をおさらいすると、河原原町通と寺町通の間を東西ある商店街です。44のお店があり、そんなに長くないアーケード商店街なのですが、魅力的なお店が凝縮しています。

元々は出町通と呼ばれ、周辺には公家や学者が多く暮らしていたそうです。また江戸時代から明治にかけては醸造業者や砂糖問屋など、小売りとは無縁の店舗が多かったとのこと。

1924(大正13)年)頃に東北市場(のちの出町市場)が開設されました。それから周辺に食料品店の集積が始まり、商店街が形成されていったそうです。
人気店「出町ふたば」に匹敵する和菓子屋さん「お多福屋」さん

出町桝形商店街と接している河原町通りにあるお店の中に、出町ふたばさんがあります。ここはとにかく人気で行列ができる名店。豆大福「名代豆餅」が人気です。

しかし、出町ふたばほど知られていないけれど、リーズナブルでお得なのが、商店街の中にあるおた福屋さんです。1933年創業なのでまもなく創業100年の老舗です。

こちらをおた福屋さんで購入しました。下の串団子に至っては夕方の閉店前だったので半額で購入できました。鴨川デルタでいただきましたが、団子の柔らかさが絶妙で、小腹が空いた時のおやつとして最適。豆餅も出町ふたばと比べてそん色なく、本当に美味くいただきました。
地元に人気のスーパーと土産にも最適なスーパー

出町桝形商店街にはふたつの食品スーパーがあります。河原町通りから入って、最初に見えるのがこちらのフードショップゑびす屋さん。野菜がとてもリーズナブルで、地元の人が気軽に使えるお店ということで、たくさんの人がここで買い物をされていました。京都らしいおばんざいも手作り品がいろいろと置いてあります。ただクレジットカードが使えないのでご注意ください。

観光客が行くのにお勧めしたいのは、もうひとつのアイハート出町店さんです。京都土産になりそうなこだわりの美味しいものが販売されていたり、クレジットカードが使えます。

こちらです。ついつい割引のものに手が出てしまいました。左の京風しっぽくは京都亀岡の薬師庵のもので、このうどんとそばシリーズは、他にもいろんな種類が置いてありました。京都の味をお土産にするのに最適です。
いろんな飲食店があり歩くだけでも楽しい

いのうえの餃子さんは学生街の中にある街中華のお店らしく、とてもリーズナブル。また、「お金のない人にお腹いっぱいただでご飯を食べてもらいたい」との気遣いも、嬉しくなるお店です。

こちらの「すし、めんるい」と書いてあるのは元祖鯖街道の店、満寿形屋さんです。鯖姿寿司をはじめ、鯖2切とうどんのセット、季節の松茸セットが人気なのだそうです。

昔ながらの食堂の雰囲気がたまりませんね。

また、こちらの看板は、エビの天ぷらが出っ張っていて、とてもインパクトがあります。天鈴さんは1972(昭和47)年より天ぷら一筋とのこと。

出町桝形商店街は、昔ながらの老舗が多い印象がありますが、中にはおしゃれなお店もあります。DELTA Bistro, Coffee Shop & Gallery by KYOTOGRAPHIEさんは、フレンチ・イタリアンのお店で、ギャラリー併設。アート作品が飾られた空間で宿泊もできるそうです。

商店街の端(寺町通りに面したところにある)LION KITCHEN(ライオンキッチン)さんは洋食屋さんです。ハンバーグとバナナケーキが自慢とのこと。
商店街にある映画館「出町座」

河内長野駅前にある長野商店街の様に、かつては商店街の中に映画館がありましたが、今はほとんどそういう姿を見ることが無くなりました。しかし、出町枡形商店街には出町座というミニシアターがあります。シマフィルムが運営している映画館で、2017年に誕生しました。

元々は、2013年4月より立誠シネマプロジェクトとして、京都の元立誠小学校の教室の一部を活用して「立誠シネマ」という映画館を経営していたのですが、そこの事業が終了したので代わりに出町桝形商店街に来ました。薬局跡を活用して出町座を立ち上げたそうです。

中には2つのスクリーンがあり、2017年1月に閉館したニュー八王子シネマから引き継いだ券売機などを再活用しているそうです。さらに書店「CAVA BOOKS」とカフェ「出町座のソコ」が併設されています。映画だけでなく様々な付加価値が混ざり込んだカルチャー発信基地と言える場所です。

昔、出町座の映画を鑑賞したことがあります。ミニシアターらしいメジャーなものとは違う、少しアーティスティックでマイナーな映画を上映していました。
商店街に古本屋が多い

出町枡形商店街が他の商店街とは大きく違うところ、その特徴として、とにかく古本屋が多いことがあげられます。
暮靄書房(ぼあいしょぼう)
ふるほん上海ラヂオ
El camino(エルカミノ)
出町座のCAVA BOOKS
確実に把握したお店は上の4軒ですが、他にも数軒ありました。

古本屋が多い背景には、京都大学や京都精華大学、同志社大学などが近くにあるため、学生、教員、研究者が多く居住するエリアということが挙げられます。

近くの下鴨神社の、糺(ただす)の森で「下鴨納涼古本まつり」が行われるなど、京都の古本文化が根強いエリアでもあります。その結果、エルカミノさんや暮靄書房さんなど、個性的な古本屋が出町枡形商店街に集まったとのこと。

こちらでは物々交換の様に古い本との交換も行っています。これで新しい本が常に入るので、掘り出し物が見つかりやすいというのも人気なのかもしれません。

100円で販売しています。とにかく安いのがいいですね。このように地域密着型の「100円」古本文化が根付いているのも、出町枡形商店街の特徴です。
桝形商店街にはほかにも個性的はお店が

出町枡形商店街には、ほかにも個性的なお店が多いです。例えばこちらの2階から顔を出しているのはぬいぐるみたち。

中をのぞくとジャンクな古い物が多数並んでいます。

このトラヤ中村さんの公式ページでは、作業服・モンペ・乗馬スボンなどの販売をしていると書いてありました。

こちらは河原町通と面している入口のお店「オーガニックプラザ出町店」さんです。自然食品のお店で、品揃えもかなり豊富でした。

こちらは落ち着いた町屋風の建物ですが、調べるとかわしま歯科・矯正歯科さんです。驚きますね。

と思っていると隣にこういうのを見つけました。Coto Glance御所北。何かと思って調べると、2020年9月誕生の高級マンションです。かわしま歯科・矯正歯科さんが入っている建物の上階がマンションです。ちなみに昔はイカワトーイというおもちゃ屋さんだったようです。

こちらは手作り雑貨や手芸材料を販売しているlittle cloverさんです。

こちらの井上呉服店は、初代金次郎が1923(大正12)年に開業したという老舗で、百年以上続いています。

こちらは加納松好園茶舗さんです。お茶専門店でいろんなお茶を販売していました。

所狭しと並べられたフルーツで華やかなお店は果物屋さん。井上果物店さんです。

漢方いちじょうじさんです。パンダの置物はイスクラ産業さんですね。「イスクラ板藍のど飴」を愛用していたことがあります。

ということで、出町枡形商店街を一通り回りました。

表店街の長さは164メートルで、390メートルの錦市場や500メートル以上ある寺町京極・新京極商店街あたりと比べると短めですが、非常に中身が凝縮された商店街です。

出町枡形商店街で購入したおばんざいの数々がその日の夜の食卓に
出町柳駅から本当に近いので、私の様に京都市外に住んでいるものでも行きやすいのが良いですね。京都でいちばん好きな商店街です。

出町枡形商店街
住所:京都府京都市上京区桝形通出町西入二神町179
アクセス:京阪・叡山電車出町柳駅から徒歩5~10分、地下鉄今出川駅から徒歩8分、京都市バス 4番・17番・205番 「河原町今出川」下車。
鴨川デルタにはいろんな鳥が!それも逃げない
