【藤井寺市】え!これが古墳?世界遺産の町には、設計を古墳ファーストに変更させた赤面山古墳があります

地域に住んでいる人たちの活動には、時に興味深い物語を解き明かすことがあります。この記事では、藤井寺市に点在する古墳群のうち、とても珍しい古墳の紹介です。何しろ高速道路の下にあり、古墳ファーストに設計を変更させた古墳だからです。
南河内ニュース/奥河内から情報発信 2026.04.12
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「え!これが古墳?」

高速道路の高架下で見つけました!最初は工事現場でできた盛り土なのかと思っていましたが、、、

しかし、これは古墳です。赤面山古墳(せきめんやまこふん)という名前がついています。まさか、高速道路の高架下に古墳があるとは!さすが世界遺産・百舌鳥古市古墳群ですね。

地図をもとに筆者作成

地図をもとに筆者作成

地図を見るとこうなっております。周囲には応神天皇陵をはじめとする大小の古墳があり、古市古墳群を形成しています。代表的なものだけでもこれだけあるのに小さな古墳を入れると本当にあちらこちらにあり、まさしく古墳銀座というような場所です。

だから高速道路の下に古墳があっても不思議ではありません。この高速道路は西名阪自動車道です。ちなみに小さな古墳なので、恥ずかしさのあまり赤面しているように見えたから赤面山という名前が付いたというエピソードもあるそうです。

外環状線のようなバイパスの国道だったら高架になっていない可能性があるので、古墳がつぶされていた可能性がありましたが、高速道路は高架道路が基本なので、このように残されたようです。

藤井寺市(外部リンク)によれば、古墳銀座と呼ばれたこの場所でも開発が進んでいきましたが、どうしても高速道路(西名阪自動車道)を通す必要性が生じました。そのため古墳を犠牲にすることも考えられていたそうです。しかし、やはり古墳を守ろうということで、最も小さな古墳の上に道路を通すという選択を行ったのです。

さらに詳しい情報がでてきました。赤面山古墳が1956(昭和31)年9月に国史跡に指定された5基の古墳のひとつだったことも幸いし、1965(昭和40)年頃に建設が始まった高速道路建設が理由で「国の史跡は破壊できない」ために保存という動きになったようです。

また古墳のために高速の足を一本飛ばしたり、道路の天井や側道をカーブ状にするといった「古墳ファーストの設計」で、工夫を凝らしたとのこと。当時の担当者の英断で古墳が残されたというのはとても素敵ですね。

(廿山トンネル)

似たような事例で富田林の廿山トンネルを思い出しました。こちらは古墳の下にトンネルを掘ることで古墳を守った事例ですが、古墳は壊してしまうと跡形もなくなるので、こういう取り組みをしていると、後世の人達に古墳の形跡が残ってとても素晴らしいと感じました。

(反対側に回ってみました)

高速道路の下で保存が行われた赤面山古墳の調査は、2016年に初めて行われたそうです。その結果判明したのは実は方墳(四角い古墳)だったとのことで、墳丘の規模は一辺22メートルで高さが2メートルです。

5世紀前半(401~450年)頃に築造されたとされ出土品として、円筒埴輪(えんとうはにわ:土管状の埴輪)や形象埴輪(けいしょうはにわ:盾・甲冑・衣蓋<きぬがさ>など)が出土したとのこと。ちなみに衣蓋とは古墳時代の貴人の頭上に差しかけた日傘を模したものです。ちなみに現時点では周濠(しゅうごう:古墳の周りにめぐらされた濠)の存在は確認されていません。

赤面塚古墳の南側に、墳丘の長さが110メートルの前方後円墳である大鳥塚古墳があり、大鳥塚古墳と赤面山古墳と同時期に作られたとされます。そして大鳥塚古墳の被葬者のほうが身分が高い人物とされ、その人物に仕えていた人が赤面山古墳の被葬者ではないかと、藤井寺市の大鳥塚古墳と赤面山古墳(外部リンク)に記載があります。

ということで赤面山古墳を紹介しました。あまりにも小さいから一見古墳には見えませんが、れっきとした古墳で、高速道路建設の時にも取り壊されず、逆に高速道路の設計を変えたというのはなかなか面白いエピソードでした。

赤面山古墳

住所:大阪府藤井寺市古室2丁目
アクセス:近鉄道明寺駅から徒歩16分、土師ノ里駅から徒歩17分

見学の後に向かった会場でも!

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